北海道星撮りキャンプツーリング8日目後半~再び夜のタウシュベツ~
まとめ https://ichikawa-cgt.at.webry.info/theme/24b4d613eb.html
20時に起きる。
空は快晴。
準備は寝る前にしていたのですぐ出かける。
前は怖かった道のりも今は全く怖くない。
数時間後にとんでもない間抜けな失敗をするのに「俺も成長したものだ」と調子に乗る。
林道入り口に到着。
鍵を開けようとすると前から車が。
撮影を終えた人で星は最高らしい。
熊も出なかったとか。
それは嬉しいとクラクションを鳴らして進んでいく。
駐車場に着くと今回は車は1台もいない。
あー...一人かと前回のカップルが懐かしくなる。
クラクションを長く鳴らし荷物を下ろし橋へ向かおうとする。
突然橋へ向かう途中の道の左手側の林(画像のB地点)からグゴォォォッと低い大きい声で何かの鳴き声がする。
熊かはわからないが熊っぽいので、あわわ...とスプレーのロックを外し片手に持ち、駐車場へ戻る。
今度は駐車場の正面(A地点)から同じ鳴き声が。
挟まれた!と思いどうしようか迷ったが、バイクを出そうとして手間取っていて熊が来たらアウト。
熊スプレーもあるし橋には来ないと聞いていたので橋へむかう。
またグゴオオオグゴオオオオ!と長く吠えられるが姿も目の光も見えない。
前門の熊後門の熊である。
(姿を見ていないので熊かはわからないです。管理局の人に聞いたらイノシシは北海道にはいないそう。この時はもう熊だと決めつけていたのでその当時の気持ちで書いています。)
吠えるだけなのは縄張りから出て行けって事だと思い、ゆっくり進んでいく。
もう声は聞こえなくなったので大丈夫かとほっと胸をなでおろす。
ちょっと冷静っぽく書いているが、実際は心臓はバクバクだった。
実際途中で転んで突き指をした。
なんというかもう挟まれてどうしようもできないので、覚悟ができた感じだった。
なんとか橋につき撮影開始。
橋の左から撮る。
まだ天の川がのぼりきっていないので橋と交差して天の川を渡る橋のようになる。
いくつか撮っていると橋にライトが当たった。
丁度その時撮っていたもの。
流れ星もあるし天の川にかかる橋みたいでこれお気に入り。
しばらく待機すると人が来た。
暗くてよく見えないがまだ20代位の男性のようだ。
挨拶すると気さくな方で話ながら撮る。
一人だと怖かったので心強い。本当にこの人が来てくれてよかったー!
右に移り二人で撮影。
89秒。ちょっと流れている。
撮影の話をしたり仕事の話をした。
彼は昼間調べた構図の場所へ移動していった。
随分と奥までいくなあと感心する。
ここは小川がいくつもあって夜中行くには中々リスクが高い。
しかも彼はクロックスというサンダルで来ているので余計大変だ。
後で見せて貰ったらとても良い構図だった。
やっぱり写真は足だよなあと感じた。
自分は橋周辺でうろうろ撮っていたが、どうもうっすら霧が出ていたのに気が付かずぼんやりとしたものばかりになってしまった。
でもここにまた来た事に後悔はなく、大満足だった。
0:30頃撮影終了。
また鳴き声が聞こえた所を通るので大きい声で会話しながら帰る。
左手には熊スプレー。
無事駐車場につきお礼を言い合う。熊スプレーは左の腰の工具入れに入れる。
この後、自分はCD125Tと天の川を撮りに別の場所に行く予定。
途中でお別れの旨を伝える。
自分が先頭で林道を戻り門へ。
無事門に着き、下りる時に突然シュウウウという音と共に左側から白いものが出てきてえっ?と驚く。
と、同時に、むせて目が痛くなった。
何が起こったのかまったくわからなかった。
3秒後最初とは比べものにならないくらい目が痛くむせる。
ここでようやく事態が把握できた。
熊スプレーのロックをせずに腰に差してしまい、鍵を開けようとバイクから下りた時にちょうど腰がトリガーを押したのだ。
熊スプレーには唐辛子に含まれるカプサイシンが使われている。
ここで詳しく書かれている。
http://www.jsdpa.com/data/bearspray00.pdf
噴射は2秒ほど2回。
2回とも顔の前30センチくらいに噴射された。
なんとかゲートを通り道を空け、彼も通ると慌てて車から出てきてくれたが同じく彼もむせる。
すみません、熊スプレーがと謝り、目が開けられないがその場でバイクを止めてボックスの中の水で顔を洗う。
服が濡れるとか気にしている余裕はないのでびしょぬれだがまだ収まらない。
彼がウェットティッシュをくれたり心配してくれたが、明日は仕事と言っていたしこれ以上迷惑はかけられない。
すみません、しばらく休みますから先に行ってくださいと伝える。
彼も迷ったようだが大丈夫ですからと言い行ってもらう。
もうCDの撮影なんて行ってられない。
休むとは言ったがここは熊の生活圏。
ここに一人はきついのでなんとか進もうとするが目が開けられない。
治る見込みが無かったので一瞬ここで一晩過ごすのかと焦った。
しかし熊が怖いから進まねばと強引に片眼を空けると、辛いがなんとか半分ほど開けていられる。
これでギリギリ運転できるとエンジンをかけ出発。
まだ彼の車のライトも少し見えるのでそれを追う。
どうもバイザーをあげて風が顔に当たる方が何故か楽なのでそれで進む。
涙が止まらなかった。
20分ほどで糠平湖到着。
自然センターのトイレで急いで顔を洗うが余計ヒリヒリする。
物凄い辛い物を食べた時は水を飲むと余計辛さを感じるという話が浮かんだ。
それでも20回くらい顔を洗い手探りで貴重品とカメラを出し、歩いてキャンプ場へ。
距離にすると300mくらいだが、途中腰を下ろして15分ほど目をつむって休む。
こんなの食らったらそりゃあ熊も退散するわ!1万円のお値段も納得だわ!熊がかわいそうだわ!と泣きながら変なことを考えていた。
泣きながら小川で顔を洗う熊が浮かんだ。
恐る恐る目を開くとなんとか両目ともあけられるようになりテントに戻る。
時間は1:30位だったかな。
大体熊スプレーは行動不能にする効果が40分間あった。
自分は30cmくらいから食らったので、熊スプレーの有効範囲5mから噴射した場合だともう少し効果は薄いかも知れない。
突き指したときこれで運転できるのかなあと思っていたがそんなことは忘れていた。
水を飲んで2時過ぎに寝る。
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